大連でのビジネス
名刺交換握手のやり方支払はどちら?個人主義の国人脈と人の和家族主義とコネの関係政治の話はご法度中国人にとってのお金宴会は本音の商談いざ宴会!IT先進国自分の中国語を話すということ自分の足で行くことの意義
名刺交換のやり方
中国では、名刺交換そのものの歴史が新しいため、名刺交換の方法は、基本的には日本の流儀と同じと受け止めてよいと思います。「○○と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と笑顔で言い、両手で相手に手渡し、相手のものも両手で受け取ります。宴会の円卓などで、相手が離れたところにいる場合は、中国人も日本人と同様、席を立って、順番に名刺を手渡しにくることもあります。そのときは、こちらも当然、立って応対しましょう。 難しく考える必要はないと思います。日本で行うのと同じ感覚でOKです。
握手のやり方
中国では、特に握手が習慣化しているとは感じられませんし、単に欧米を真似ているといいますか、とても儀礼的なもののように思われます。ですから、こちらから無理に行うこともないかと思います。ただ、あちらから手を差し出された場合は、握り返しましょう。特に、女性が求めてきて、男性がそれを受けないのは失礼に当たります。また、男性から女性に求めるのはマナー違反と言われています。
支払いはどちら?
よく言われるように、中国には基本的にワリカンの習慣がありません。ですから、支払いのときに不便/面倒を感じる方も多いことと思います。
けれども、割り勘の習慣のない中国において、スマートな支払い方、支払われ方は、そう難しいことではないように思います。
例えば、こちらが相手の本拠地に訪問して面談・商談を行うと、たいてい、相手がコーヒー代や食事代を払おうとしますが、これはそのまま受けてしまっても失礼ではありません。
「私はここに住んでいるのですから」というのがあちらの理由です。ご馳走するということは、あちらの面子でもあり、こちらを立てることでもあり、もてなしでもあると思います。そういうときは、「ごちそうさまでした。今度日本へおいでの際は、ぜひ私たちに支払わせてください」と笑顔で言っておけばよいのです。
その土地に本拠地を置くほうが支払う、という方法は理にかなっていると思います。
また、友人でも、ビジネスの相手でも、ある程度の期間滞在して複数回会ったり、その後度々会うという場合は、たとえ相手の本拠地であっても、「今回はご馳走させてください」と申し出ても問題はないと思います。
個人主義の国
中国人は、会社に対する忠誠心よりも自己の能力を生かせることを重視します。同じ業務ならより給料の高いところで働きたい、と彼らははっきりと主張しますし、常にステップアップのチャンスを狙っています。
そして、同じ会社内での噂流し(中国人は噂好きです)、ライバルに対する陥れなどは日常茶飯事です。中国人にとっては自分がいかに有利に立つかが大事であり、自己主張と自己顕示欲の非常に強い、自己の正当性を曲げない民族だといえます。
また、例えば単身赴任などは、日本人にとってはごく普通のことでも、中国人には受け入れることのできない制度・習慣です。
中国人にとって家族は、人脈の最小単位と言われるほど強く結びついたものであり、中国人にとって家庭の団欒はなによりも大切なものなのです。夫婦共働きが当たり前の中国では、男性の家事参加や子どもの送り迎えも日常のことです。
できるほうがする、ということが夫婦の間で自然に決まっています。会社ではなく自分自身や家族の利益のことを考え行動する、ビジネスにおいても家族が最優先、それが中国人なのです。
人脈と人の和
個人の利益の追求と徹底した自己主張をする反面、対価を求めず相手を助ける心、和を大切にする心のあるのが中国人であるといえます。一度信頼関係を結ぶと、家族のように尽くしてくれるのが中国人なのです。
ビジネス上でなにか突発的な問題が起こったとき、それを解決する原動力となるのは、結局はそれまでに築いてきた大小の人脈だといえるでしょう。「大」が家族のようなつきあいのある中国人だとすれば、「小」は知り合ったばかりの中国人かもしれません。また、見ず知らずであっても手を差し伸べてくれることもくさんあります。
とはいってもみんながみんな親切なわけではありません。知らん顔している人もあります。けれども、差し伸べられる手は、日本でそういう行為を受けるのとはまた違った、あの大地を背景にしているかのような、もっと力強く自然で、もっと素朴で温かいものに感じられるのです。
人脈と人家族主義とコネの関係の和
個人主義の中国とはいっても、それは欧米のように宗教に基づいた神に対する自分という意味ではなく、家族・血のつながりに基づいた、あくまで家族あっての個人という意味での個人主義、言い換えれば「家族主義」ということになるかと思います。
日本的な家族主義が企業や学校といった家庭外の社会単位にあり、同一共同体の他人との共生・調和にこだわるのに対して、中国の家族主義は純粋に家族・身内を単位としています。厳しい歴史を生き抜いてきた中国人にとっては、家族を核とした血族こそが自分のよりどころとなるのです。
強烈な同族意識と結束力の強さが生むネットワークは、かなり広範囲にわたります。一人の中国人の後ろには大勢の血縁者が存在し、一個人、一家族の成功はその一族すべての繁栄につながらなければなりません。それこそが中国人にとっての調和であり、情理にかなったことなのです。
このようなわけで、中国で言う「コネ」は、私たち日本人の考えるものと根本的に違います。それはまず、この血縁関係・身内のことなのです。けれども、血縁関係を超えたところにもコネは存在します。例えば、相手にとって有利となるような何かを与えることができたときです。さらに、苦労や思いを共に分かち合うという共通体験に基づいた人間関係をつくることができれば、それは身内にも匹敵する人脈となるでしょう。
中国人と本物の人間関係を結ぶことは、中国でなにかを成し遂げるための最大の条件です。それは、本気で中国に接したことのある人に共通する実感だと思います。
政治の話は御法度
よく言われることですが、外国においてはその国の政治を批判するような発言は避けるべきです。また政治だけでなく、特に公共の場で、大声で現地の悪口を言うことや、宗教、文化、習慣等の批判をおおっぴらにすることも避けましょう。
言い争いの種となるならまだよい方で、ときとしてテロや犯罪に巻き込まれる原因にもなりかねません。人と異なる目立った行動をとる人が一番狙われやすいのです。
中国の歴史は異民族の侵略と分断と統一の歴史であり、一部の支配者階級によって一般民衆が貧困と屈辱を強いられてきた歴史でもあります。外国から国土を攻められたことのない日本人には到底理解できないほどの複雑な歴史的背景を持っています。そういう私たちが、木を見て森を見ぬような不用心な発言をすることは、やはり慎むべきかと思います。
中国人にとってのお金
中国人にとってお金は非常に重要なものです。お金に対するこだわりは相当なもので、非常にはっきりしていますし、シビアです。
中国人は、極端に言えばなんでもお金に換算します。お金の話やお金もうけをはしたないこととはしません。
あいさつがわりに相手の給料の額を聞くぐらいですので、慣れないうちはちょっとびっくりしてしまいます。結果を伴うことにはいくらでも払うけれど、たとえやってもらったことに対しても結果のないものには払えない、とはっきりと言います。失敗の原因が自分にあっても、ことお金がからむとそれを相手の責任だとしがちです。
浪費はせず、いったいこの給料でどうやってここまで貯めたのかというほど懸命に貯金します。私たち日本人はこのようなことから、中国人はなんてけちなのか、ときに狡いのか、と思ってしまいます。
けれども、すべてをお金で解決しているわけではありませんし、お金のことをあからさまに話題にするのははしたないこととする日本人的感覚の人もいます。ただ、自分が生きていくうえで欠くことのできないもののひとつは人(家族・一族・友人)であり、もうひとつがお金だということを、中国人はその厳しい歴史を通して認識してきたのです。
家族、友人、食、健康、お金もうけ、人生を楽しむこと。それらをまっすぐに追求する中国人は、とても正直で人間臭い民族だとも言えます。
きれいごとを並べてみても、ビジネスとは結局お金もうけです。お金もうけを美徳としている中国は、その意味では非常にビジネスのやりやすい国と言えるかもしれません。
宴会は本音の商談
中国のビジネスでは、企業対企業を超えた個人対個人の人間関係が最も重視されます。一見遠回りのようですが、各々が個人レベルでの人間関係をていねいに地道に築いていく努力が、実は成功へと導く早道なのです。
そんな中国での商談は、宴会で始まり宴会で終ると言っても過言ではありません。宴会はおもてなしであり、会議では表れなかった相手の真意を知り、本音で話をする機会でもあります。
会社での立場を超えて個人的に語り合い、そこからもつれた糸を解きほぐしていくこと、そしてラフな会話を通して相手が信頼できる人間かどうかを見極めることが宴会の目的です。宴会の潤滑油となるのはもちろんお酒ですが、宴会の主役はあくまで食事であるというところに、日本との違いがあります。
交渉がもつれてしまったとき、商談がうまく進まないときこそ、こちらから宴会をセッティングしてみましょう。仕事上の立場を超えて、個人としての気持ちを正直に話そうするひとりひとりの歩み寄りから信頼感が生まれ、商談をまとめようとする気持ちにつながってくるのです。
いざ宴会!
- 滞在日程によって宴会や食事会の内容・回数も異なってきますが、滞在中、まず中国側の招待を受けることになります。お客をもてなすことは中国人の礼儀です。その招待は素直に受け、滞在期間に余裕のある場合はその後に、ない場合は帰国までに必ずお返しの宴会または食事会を設けましょう。
- 主催者が日本側の場合、会場はあくまで中国側の好みに合わせましょう。しかもランクの高いお店を選ぶことが相手に対する礼儀と敬意となります。となると、やはり高級な中国料理が適当ということになるでしょう。また、必ず個室を予約しましょう。
- お酒の飲めない人は、正直にその旨を話しましょう。その代わり、お酒に強く決して悪酔いしない「宴会要員」を用意しておきましょう。また、酒癖の悪い人はけっして出席させないことです。宴会は信頼関係を築く大切な場です。酔った勢いで相手の話を聞かなくなったり、中国人の悪口や中国人にとって触れてほしくない話題を持ち出したらおしまいです。
- 中国側は会議には決定権を持つ偉い人は出席しないものですが、宴会には出席します。また、宴会では、決定権を持つ者同士、担当者同士、つまり同じ立場・地位の人同士が隣り合わせに座ります。
- 円卓でも席順はあります。この席順は非常に大切です。一番奥の席が上座で、上座には第一ゲストが座り、その左にホスト、ホストの左には第二ゲストが座ります。
- 日本では、主催者側のスピーチ→乾杯というのが通例ですが、中国では食事→主催者側のスピーチ→乾杯→食事→ゲスト側のスピーチ→食事というように、常に食事が主役になります。
- 取り箸がある場合もありますが、中国ではたいてい自分の箸で相手にも取り分けます。これが習慣であり親しみの表現でもありますので、日本人的な潔癖な考えは持ち込まないことです。
- 最初の料理の取り分けはホストが行います。これを行わないと、ゲストはいつまでも箸をつけることができません。また、相手方が主催者である場合、ホストが取り分けてくれたらまずこちらが箸をつけないと、先方の平社員の人などはいつまでも食べられない状態になってしまいます。
- 「乾杯」の際には自分のグラスを必ず相手のグラスよりも低い位置で合わせましょう。中国では、それが相手に対する敬意となります。乾杯のグラスは飲み干すのがマナーです。また、目上の人にお酒をついでもらうこと、目上の人にお酒を勧めることはマナー違反です。
- 世間話や家族の話など当たり障りのない会話から入っていき、食事も進み乾杯が済み、少し気分がほぐれたところで仕事の話題に移るようにしましょう。
おみやげのある場合は、宴会の最後に渡しましょう。
IT先進国
私が街で携帯を使う人々の姿を初めに認識したのは、中国は北京ででした。意外なようですが、携帯電話は日本よりも中国で先に普及しました。
中国では普通電話の回線を引くのが困難だからというのがその理由のひとつです。そして、普及当時から携帯で国際電話をかけることもできました。ただ中国の携帯は、現在でも受け取った相手側にも通話料金がかかります。
また、私がビデオCD(VCD)なるものを初めて見たのも北京ででした。VCDは都市部の家庭のほとんどに浸透しており、食後の一家団欒に一役買っているそうです。インターネット人口の伸び率は日本を上回ります。
ご存知のように、インド人と並んで中国人はコンピュータに対する能力の非常にすぐれた民族です。国土も人口も巨大な中国は、日本以上に真剣にIT革命に取り組んでいると言えるでしょう。
なんでも日本が進んでいて中国は遅れている、という私たちの偏見・先入観はそろそろ捨てたほうがよさそうです。
自分の中国語を話すということ
通訳は、ときとして、自分のわからない言葉や都合の悪いことは通訳しなかったり、交渉がうまくいくようにとのアドバイスを超えて、自分の気持ち・意見を織り交ぜて訳したりすることがあります。
ビジネスの交渉には、言葉そのもののレベル以上に、専門知識が求められます。
ですから、中国で交渉する際、自分の言葉に自信がない場合は、その分野の知識もあり、交渉の目的や方針を理解していて、こちらの立場で訳してくれる、信頼がおけてかつレベルの高い通訳が必要です。交渉には、関わるメンバー全員が十分に打合せしてから本番に臨むことが必要であり、決して相手の通訳に任せていてはいけません。相手の通訳に任せてしまうのは、戦いを放棄しているのと同然です。
日本人は誰でも日本語ができますが、レベルの高い日本語を話したり、専門分野について話せるというのは、訓練された人だけです。同じように、どの言語においても、言葉ができるから通訳ができる、というものではありません。通訳は皆、専門分野を持っています。あるいは、その度ごとに勉強・研究してから通訳に臨むのです。そして、できる通訳ほど、専門知識を持ちたがっています。
ですから、安いということを理由に、ちょっと日本に留学経験のある中国人を使うなどということはお勧めできません。訪中メンバー内もしくは社内でまかなえない場合は、経費がかかっても、能力の高い信頼できる通訳を確保しましょう。
また、自分自身がある程度言葉ができる場合は、恥をかいても、冷や汗をかいても、大事なことは自分の中国語で伝える努力をしましょう。どうしても伝わらないときは、書いてもかまわないと思います。言葉の不足は、ベースとなる知識でカバーできます。
聴き取るにしても、英語と同様、文法は中学生/初心者レベルでもかまわないので、その方面の単語をどれだけ知っているかという語彙力がポイントとなるように思います。
もちろん、言葉も知識も100%であるに越したことはありませんが、言葉が100%で知識がないよりは、言葉は50%でもいいから知識が100%であることのほうが重要です。
どちらが正確に相手に伝わるかといえば、後者なのです。ベースとなる知識のない言葉は、特にビジネスの場合、完全に伝えることは難しいと思います。
けれども、言葉が不十分であっても、ベースとなる知識が十分である場合は、知っている言葉に置き換えて伝えることもできますし、相手の話を理解する力が大きくなり、想像力やカンが働くのです。ですから、言葉の不足は、ビジネスや専門分野の場合、知識でカバーすることが可能です。
このように、たとえ信頼のおける通訳がいたとしても、今後中国ビジネスを行っていくのならば、中心メンバーの誰か/それぞれが、中国語を覚えていく必要があるというのも事実です。そうすれば、相手の話している中国語、通訳の話している中国語もわかりますし、間違えがあれば自ら訂正できるからです。
どんなに有能な通訳がいたとしても、やはり、手続や交渉をしていく人自身が中国語を感じ取れること、自分の中国語を話せることが大切です。
中国人は、日本人が上手に中国語を話せないことを馬鹿にすることはないと思います。むしろ、少しでも話せること、話そうとすることを珍しがり、また、驚き、評価します。
時には脅威にすら感じるのです。
ですから、本番こそ最高の実践の場ととらえ、思い切って話してみましょう。回りの目や恥を気にせず、積極的にそういうことのできる人、しようとする人、それを楽しめる人こそが、中国に向いているのだと思います。
自分の足で行くことの意義
中国側との商談・交渉には、可能な限り、自分たちの足で行くことをお勧めいたします。
高速道路は発達していますので、運転のできる中国人の協力が得られるならば、片道500キロぐらいでしたら自家用車もいいですし、飛行機や列車を利用する場合は、空港や駅からはレンタカーを借りるか、自分たちでタクシーを拾って目的地に向かいます。
商談で有利になりたいならば、決して、相手のお迎えに身を任せてはいけません。
同様に、相手の本拠地においては、食事代は相手が支払っても、ホテル代や足代は必ず自分で負担しましょう。
中国では、大変ではあっても、多少無理をしてでも、自力で相手の本拠地に乗り込む、ということが非常に大きな意味を持ちます。
これをサポートする中国人協力者がいるということは(中国は、国際免許が通じません。中国で運転するには、中国の免許が必要です。けれども、交通事情も厳しいですし、中国で運転する外国人は非常に少ないと思います)、相手に一目置かれることになりますし、自家用車でもレンタカーでも、車を自由に使えると、行動と気持ちに余裕ができます。また、自力で移動することにより見えてくるものもたくさんあります。
ただでさえ、相手の土俵で勝負することは不利です。それに加えて、これらを相手のお世話になったり、あるいは相手の都合に合わせてアレンジされてしまいますと、楽である一方、相手のペースでものごとが運んでしまうことになります。それでは、交渉は、初めから半分負けたも同然です。
中国人との商談・中国での交渉においては、どんなときも、〝私たちのために○○してください〟〝ぜひとも私たちに○○させてください〟ではなく、〝私たちはあなたたちのために○○することができます〟というスタンスでいることがポイントです。
商談・交渉は、こちらがいかに能力があるかをプレゼンする場であり、こちらと結びつけばいかに特であるかを相手に感じさせる場です。ですから、決して、お客さん待遇で〝熱烈歓迎〟されて、舞い上がってはいけないのです。
相手に〝熱烈歓迎〟させるチャンスを極力与えないぐらいの気持ちが必要です。そのためには、相手のペースに巻き込まれず、あくまでも自分たちのペースを貫くよう強く意識し、淡々と行動することが大切です。
